『僕だけがいない街』命をかけてでもやり直したい過去はありますか？

僕だけがいない街 / 三部けい

「あなたにはやり直したい過去がありますか？」こう聞かれたら大抵の人は「ある」と言うと思います。でもこう聞かれたらどうでしょう？

あなたには命をかけてでもやり直したい過去はありますか？

主人公の藤沼悟はマンガ家デビューはしたものの、ヒット作を生み出せず悶々としている28歳。持ち込んだ出版社の担当には「あなたの顔が見えて来ない」と言われる始末。その言葉の通り、悟は他人との関り合いを避けていた。そんな彼には、誰にも言えない特殊な能力があった。

「再上映（リバイバル）」と呼ばれるタイムリープ能力。そう彼は自分の近くで事件や事故が起きると、自動的にその前に戻ることができる能力を持っていた。

リバイバルでトラック事故から子どもを無事に助けたことがきっかけで、バイト先の同僚である片桐愛梨から親しくなり、入院を聞きつけた母親の藤沼佐知子も悟のもとにやってくる。久しぶりに母親との生活。しかしそんな生活は長くは続かなかった。ある日、バイト終わりに母親の待っている自宅に帰るとそこには。。。母親を助けるために強く願い、今までとは全く違うリバイバルが発動する。果たして悟は母親を助けることができるのか。18年前に起きた連続児童殺害事件。この事件がすべてのきっかけだった。

正直言って、かなり面白いです。もう出てくる人、出てくる人、みんな怪しい。読みながら「ははーん、こいつが犯人だな、わかっちゃったもんねー」とか思って読み進めてると「あれ？やっぱ違う？こいつか？」となります。ストーリーはかなり緻密に計算され、物語が進行していっても全く犯人がわかりません（笑）。これぞ、極上のサスペンス・ドラマ。映画化もアニメ化も納得の作品です。一気に読み進めてしまうこと、間違いなし！！

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