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『エンバンメイズ』究極の頭脳戦略バトル、極上の勝負は緊張感マックスで興奮すること間違いなし!!

2016/09/07

エンバンメイズ / 田中一行

みなさん、ダーツはやったことありますか?私は10年くらい前にマイダーツを持つほどハマっておりました。でもなかなか上達しませんでしたね〜。今回はダーツをテーマにした新感覚のギャンブルマンガ、マンガボックスの『エンバンメイズ』を紹介させていただきます。

「びびびびびび」

主人公の烏丸徨(からすまこう)は裏社会に生きるダーツプレイヤー。裏社会で催される賭けダーツで「迷路の悪魔」との異名を持つ。ある日、女子高生の美作真琴(みまさかまこと)から賭けダーツで自殺した父親の仇を討ってほしいと依頼を受ける。烏丸は真琴の仇である「冷血(コールドブラッド)」と呼ばれる神谷総一郎を対戦相手に指名し、賭けダーツのゲームを持ちかける。烏丸に招待され賭けダーツの観戦に向かう真琴。賭けダーツの胴元トップである絹守一馬(きぬもりかずま)と共に勝負を見守る中、烏丸と神谷の一戦が始まる。

賭金は真琴が神谷に負っている父の借金1000万。さらに敗者は追徴金として更に勝者の総得点×100円を支払うこととなった。ルールはダーツの基本的なゲーム「カウントアップ」3投×8ラウンドの勝負を行い、得点の高い者が勝者となる。8ラウンド終了時に同点の場合はサドンデスで延長のラウンドが続いていく。

「びびびびび」

ルールを聞いた烏丸の脳裏に何かがよぎる。いよいよ勝負が開始。とその時に神谷の腕時計のアラームがなり、神谷はトイレへ。

「びびびびび」

その姿を見て、再度烏丸の脳裏に音が響く。そして神谷先行で勝負が開始。20のトリプル×3投の180点。烏丸も同様の180点。そのまま8ラウンドまで二人とも180点のみの勝負が続く。そして最終8ラウンド、神谷の3投が終わった時、神谷は烏丸の利き手である右腕にダーツを突き刺し負傷させる。「ルールでも別に禁止されていなかったしね」と開き直る神谷。会場が騒然とする中、烏丸は左手で鮮やかに180点を取ってみせる。そして一言、「アンタたった今、”迷路”の出口を一つ逃した」

「ここが”行き止まり(デッドエンド)”だ」

サドンデスの延長戦は15時間782ラウンドにもおよび、二人の総得点も14万点を超える。追徴金は1400万を超えていた。ここでまた腕時計のアラームが鳴り、トイレに向かう神谷。その神谷に烏丸が「トイレに行かずに30分そこにいてくれたら次のラウンドで負けてやる」と提案するが、神谷はこれを拒否。神谷は持病を持っていて、5時間に一度薬を注射しないと命に関わるとのことだった。そして最後の薬を使いきった神谷は手下の塚本に薬を取りに行くように指示する。薬を取りに行こうとする塚本に烏丸はこう声をかける。

「アンタがこのまま戻らなければ、もう神谷さんに会わなくて済むぜ」

4時間半が経過しても塚本は戻ってこなかった。白旗を上げ、1000ラウンド目でわざと狙いを外し170点を出した神谷。「おめでとう悪魔君、お前の勝ちだ」会場を去ろうとする神谷に烏丸はこう告げる。「アンタなら”迷路”を解いてくれると思ってたんだけどな」そして、神谷と同点の170点を出す烏丸。錯乱する神谷に烏丸はこう告げる。

「ここが”行き止まり(デッドエンド)”だ」

「嘘喰い」に勝るとも劣らない究極のギャンブルマンガ

作品を読んで感じたのは「嘘喰い」を初めて読んだ時の興奮。裏社会ギャンブルの異常性と暴力性が見事なまでに緊張を持って描かれています。今回紹介した第一話のエピソードは入門編ということもあり、割とわかりやすい迷路になっていますが、次々と行われる別の賭けダーツではゲームのルールも烏丸の仕掛ける「迷路」もかなり計算されたものとなっており、至高の頭脳バトルが楽しめます。

正直、ダーツマンガと聞いた時は、「プロなんだからみんな狙ったところに投げれるし、勝負つかないからマンガにならんだろ」と思っていた私は既に「迷宮」の中におりました。はい、すいません。

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