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【マンガレビュー】主観に基づいたおすすめマンガをあたりさわりなくレビュー

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『僕たちがやりました』ちょっとした悪ノリがとんでもない事態を引き起こすことになるかもしれないという話

僕たちがやりました(〜5巻、以下続刊) / 漫画:荒木光 原作:金城宗幸

こんにちは、ししまるです。
今回紹介するのは、ひょんなことからいつの間にか日常から転げ落ちていく系のストーリーです。
若干ネタバレ入ってるかもしれません。

そこそこ楽しく生きていければいいというちょっと冷めた主人公トビオは、同級生でお調子者のマルと伊佐美、卒業生でお金持ちのパイセンと日々それなりに楽しく高校生活を送っていますが、ある日隣の底辺校である矢波高にマルが拉致され暴行を受けます。(マルの身から出た錆なわけですが・・・)その場のノリもあって復讐を決意する4人。

ちょっとしたいたずらを仕掛けたつもりが大勢の死人が出るほどの事件に発展してしまいます。

事態を重く見たパイセンは口止め料として3人に300万ずつ手渡し、海外逃亡を提案し試みるもあえなく失敗に終わり、逮捕されてしまいます。

トビオ達3人の逃亡生活が始まるわけですが、伊佐美は音信不通、マルはトビオから300万を騙し取り600万を持ってやりたい放題、トビオはほぼ無一文で路上生活へと落ちていきます。矢波高から追い込みを掛けられ、ホモのホームレスに襲われそうになったり、なりゆきで伊佐美の彼女と同棲したりと、波乱のどん底生活中、犯した罪に対する良心の呵責に耐えきれなくなっていきます。
そんなトビオの前に無罪釈放されたパイセンが現れ事態は急変、4人は何事もなかったかのような元の生活を取りもどします。

パイセンから告げられた無罪放免のからくりを知ったトビオは・・・

ここまでで5巻までのあらすじとなりますが、最後のページは衝撃です。
思わず「あっ」と口から出てしまう結末となっていますので、ぜひ最後のページをご自分の目で確認してもらいたいと思います。

テンションの描き分けがとても上手で、ハイテンションとどん底の描写の差が絶望感を引き立てています。ハイテンション時のはしゃぎっぷりはギャグマンガさながらですし、どん底状態にはホラーマンガのような不気味な恐ろしさがあり、読者にもキャラの心情が伝わりやすく、ぐいぐいと話に引き込みます。

それにしても、マルのクズっぷりが際立ちます。そもそも事件の発端はおめーだろというところなのですが、友達の金を盗み風俗三昧、金が尽きると伊左美の金も奪い取ろうと画策、計画は失敗に終わりますが、そのことを責められると責任転嫁の上逆ギレときた・・。すがすがしいまでのクズ。ここまでのゲスキャラはめったにお目にかかれません。
今後マルに天罰が下ることはあるのか?といったところも見所の一つかと思います。

自殺未遂を起こし精神的に壊れかけた伊左美と、ホームレス生活で良心の呵責に押しつぶされそうになったトビオ、そして充実した逃亡生活を送ったマル・・・。ちゃらんぽらんそうなのに意外と友達思いのパイセン。
表向きには事件は収束したかのように映りますが、事情を知っている面々のそれぞれの思惑や関係は今後いかに・・・。

明らかにコミックスの巻の終わりにクライマックスが来るように計算されています。大体のマンガもそうしているのでしょうが、次の回への盛り上げ方が半端じゃないので、時間に余裕がないときは巻の途中で読み止めるのが吉です。キリよく最後まで読んでやめようなんて考えてはいけません。確実に遅刻します。

舞台やキャラなどあまり予算を掛けなくても作れそうなわりに面白いので、完結の時期次第ですが、近いうちに実写化されそうな気がします。

6巻が気になって気になってしょうがないところでしたが、タイムリーなことにこの記事を書く際にググったところ、本日6巻の発売日ということで、さっそく読んでみようと思います!

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