マンガ生活

【マンガレビュー】主観に基づいたおすすめマンガをあたりさわりなくレビュー

少年コミック 恋愛 青春

『ハイスコアガール』ストII世代にはたまらない舞台設定とうますぎるキャラづくりを堪能

2016/09/07

ハイスコアガール(1〜5巻) / 押切蓮介

著作権問題で休載していた『ハイスコアガール』が連載再開の運びとなったようです。

いきなり脱線しますが、この作者が10数年前に、『でろでろ』というホラー風味のギャグマンガをヤンマガで連載していたのを覚えています。
あまり好きなジャンルではなかったのでそんなに気にしていたわけじではなのですが、うまくないのに妙に印象に残る絵柄と、独特のセリフ回しで、頭に残っていました。
『ハイスコアガール』が話題になって読んでみたときには、画力があまり変わってなかったのと、相変わらずのセリフ回しだったので、安心したと同時になんとなく懐かしい気分になりました。

ちなみに同じ時期にヤンマガで『アゴなしゲンとオレ物語/平本アキラ』が連載されていたと思います。こちらの作者は変わりようがすごい。
数年前『監獄学園』が話題になりましたが、絵が別次元だったのでまさか同じ作者とは思いもよりませんでした。
その前にも『俺と悪魔のブルーズ』で画力が超絶あがっていましたが、その時よりさらに別次元にいったような・・・。クロスロードで悪魔に魂を売ったのでしょうか。

『監獄学園』と『ハイスコアガール』とで、同じような時期にブレイクしたのがなんとも感慨深いです。

『ストII』『ヴァンパイア』『餓狼伝説』『サムスピ』『KOF』など、90年代初頭の格ゲー黎明&全盛期を舞台にしたラブコメですが、ゲームが実在の名前で出てくるので、それだけですでに世界観にひきこまれる。(それが原因で問題になったのですが・・。)
当時のゲーセンの雰囲気やゲームの筐体などまで細かく描かれているので、当時を知るおっさんは必見です。

それにしてもこの作者はキャラづくりがうまい。『鈍感だどいいやつすぎるゲーム好きな主人公』『ゲーム好きなまったくしゃべらないメインヒロイン』『横恋慕だけどある意味一番まともなもうひとりのヒロイン』『神出鬼没で理解あふれる主人公の母親』など、登場人物ほぼ全員強烈な個性を持っていますが、キャラクター同士が引き立て合っているのが、本当にうまいなと感じます。
さらにガイル、ザンギエフなどのゲームの登場キャラクターが脳内で主人公に語りかけることで、ストーリーを盛り上げています。

ストーリー的にはある種王道な、自分の気持ちに気づかない主人公とヒロインのすれ違いにもうひとりのヒロインが割り入ってくるというものではありますが、懐かしい当時のゲームでノスタルジーに包まれる中、すれ違いな恋模様のドラマが展開されると、吊り橋効果のように、よくわからない切ない感情をかき立てられる、ちょっと卑怯とも言える作品です。(ほめ言葉)
小学生編、中学生編、高校生編ときて、なんとなくクライマックスに突入してきている雰囲気ではありますが、三角関係がどうなるか、どう決着するか・・今後の展開が楽しみです。

さらに余談ですが、深夜ドラマで『ノーコン・キッド』という、ゲーセンを舞台にしたラブコメをやっていました。こちらもゲームタイトルが実在の物を使ったラブコメということで、2匹目のドジョウを狙ったのでしょうか?とはいえ、結構好きで見てました。波瑠かわええ。波瑠も思い切りブレイクしてしまいましたね。

-少年コミック, 恋愛, 青春

おすすめ記事一覧