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『あれよ星屑』戦中、戦後の日常を疑似体験する

2016/09/07

あれよ星屑 / 山田参助

戦争が終わってから約70年近くが経ちました。

小学校や中学校では歴史の授業があって、戦争のことに触れる機会がまだあった気がします。でも不思議なもので大人になると、自ら進んで触れようとしない限り、戦争のことを知る機会はほとんどありません。

「あれよ星屑」は戦中、そして戦後の日本を描いた物語です。もちろんマンガなのでフィクションですが、読んでいておそらくこれが当時の日常だったのだろうと感じずにはいられません。それくらいこの作品にはリアリティと説得力が存在しています。これは大人が戦争って何だったんだろうと改めて考えるためのマンガだと思います。

戦後の日本。復員した黒田は東京で偶然上官の川島に再会する。戦争の傷跡に苦しめられながら、二人は戦後の東京を生きていく。昭和前期の文化や慣習が実に見事に描かれており、まるで戦後にタイムスリップしたような感覚を味わえます。 戦争の悲劇や戦後の苛酷さを描いた物語ですが、ハードボイルドな一面も持ち合わせていて、なぜだかシリアスな物語も少しオシャレにかっこ良く、それでいて面白く読める作品です。

決してなくしてはいけない戦争の記憶に、たまには触れてみるのも良いのではないでしょうか。

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