『クジラの子らは砂上に歌う』全く先の読めない極上のファンタジーはいかが?
2016/09/07
クジラの子らは砂上に歌う / 梅田阿比
「風の谷のナウシカ」を初めて見た時、衝撃が走りました。あの世界観、ナウシカのキャラクター、現実とはあまりにかけ離れた世界で起こる広大なスケールの物語。
「クジラの子らは砂上に歌う」を読んだ時、ナウシカを初めて見た時の衝撃と同様の感覚を持ちました。「泥クジラ」という謎に満ちた漂泊船とそこで暮らす超能力を操る人々。砂だらけの世界で幸せに暮らすその世界は、ある日突如として切り裂かれます。主人公のチャクロは心優しい14歳の少年。謎の廃墟船で出会った謎の少女リコスとの出会い。突如起こった悲劇の中、少年はみんなを救うために悲しみの中から立ち上がります。
非常に現実離れした世界感の中でのお話ですが、登場人物たちが生き生きと描かれているため、物語に引き込まれていきます。「泥クジラ」や外の世界など、とても謎の多い世界ですが、主人公たちも読者同様に世界の謎を知らないので、物語にどっぷり浸かって楽しむことができます。またサイミアによる戦闘シーンも迫力満点。魅力的な美少女キャラクターも多く、人気の出る要素がふんだんに詰まっています。
ファンタジーに飢えている人には極上の作品だと思います。是非、ジブリで映像化してほしいなー。(←超無茶ブリ)
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